2014年11月27日木曜日

粉瘤について

粉瘤とは
 皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、その中に垢(ケラチン)などがたまってしまうものです。よく脂肪の塊と思われている場合がありますが、実際は垢がたまっています。袋の中には垢がどんどんたまっていきますので徐々に大きくなってきます。化膿してしまうと痛みを伴なうこともありますし、破裂してしまうこともあるので、注意が必要です。

できる場所は
どこにもでできます。顔や背中はもちろん、頭の中や足の裏にできることすらあります。

化膿したら
軽症の場合、抗生物質を内服してコントロールできますが、症状が進行していると切開して、中味(垢)を圧出する必要があります。
この場合、袋の壁をできるだけ除去しますが、残ることがありますので、再発するリスクがあります。

再発しないようにするには
炎症がないときに、袋ごと切除することが望ましいです。皮膚の表面を切開し、袋を取り出し、皮膚を縫い合わせます。
1週間後頃に抜糸します。

いずれも保険適応の治療になります。

2014年11月20日木曜日

ステロイドを外用すると皮膚が黒くなる?

アトピー性皮膚炎の患者さんからよく
「ステロイドを外用していると皮膚が黒くなりますか?」
と聞かれることがあります。
この答えは、
「はい」でもあり「いいえ」でもあります。
炎症(赤み)があると
治療をします。
治療後には必ず
色素沈着を起こします。
つまりステロイドにより治療して皮膚が黒くなるということは言えるでしょう
ただ、この色素沈着はステロイドによる副作用というよりは
ステロイドにより治癒していく過程と捉えることができます。
またこの色素沈着は必ず消えていきます。
自然に。
でも、ずっと黒いのが残っていることがありますよね
これは、
次の炎症(赤み)がまた始まっているからなんです。
つまり、最初の赤みは黒くなって消えていったのですが、
次の赤みが黒くなってきているのです。
黒みと赤みが混じっていることもよくあります。
ということは、
赤みが起こらないようにコントロールすることが非常に重要です。
あるいは赤くなってもできるだけ早くに抑えていくことが重要なんですね。
このことを実践していくためには、
非常にきめこまかい外用指導が必要です。
トータルのステロイドの使用量を抑えるためにも適切にステロイドを使用していきたいですね。




2014年11月13日木曜日

ジェネリック(後発)医薬品について

最近では、ジェネリックという言葉もかなり定着してきたように思います。
後発医薬品と呼ばれるもので、
これまで有効性や安全性が実証されてきた新薬と同等と認められた低価格なお薬です。
ジェネリックは、研究開発費等が抑えられるため、
国が価格を新薬の約2〜7割に設定しています。
ジェネリックには、
形や味、大きさ、服用性、使用感の改良など、
新薬の発売後、開発・蓄積された新しい技術を用いて工夫を施しているものもあります。
多くのお薬を必要とされる方にとっては、
薬剤費を抑えられるにこしたことはないと思います。
高額な薬剤に関しては、できるだけ抑えたいのは当然ですね。
そこで、気になるのは、
有効性と安全性だと思います。
皮膚科領域ですと
特に外用剤は、すべてではないですが、ものによっては、
違いがあるものもあると考えています。
主成分は同じでも、基剤とよばれる軟膏の元になる部分は異なっています。
また、ジェネリックであってもむしろ、優れたものもありますので、
慎重に選んでいく必要があります。
お気軽にご相談ください。



2014年11月6日木曜日

にきびと漢方

にきびで悩まれている方は多いですね。
にきびといってもさまざまなステージがあります。
特に最初の段階で重要なことは皮脂の分泌量の増加と考えられています。
男性ホルモン(アンドロゲン)が影響を与え、
分泌量が増加する思春期はにきびが発症しやすい時期となります。
その結果、
毛穴のつまり(毛包漏斗部の角化亢進)を引き起こし、
面皰とよばれる白にきびの形成へとつながります。
さらに進むと化膿性にきび(赤にきび)へとなり、
にきび痕(ざ瘡瘢痕)へと進行するとなかなか治すのが難しくなります。

以上のそれぞれの段階に応じて適切な治療をする必要がありますが、
漢方がその助けになることがあります。
漢方と言ってもさまざまですが、
男性ホルモンに対して拮抗的にはたらく桜皮という生薬やアクネ菌に対する抗菌作用を有する荊芥、甘草などの生薬を含む十味敗毒湯などは使い易いものといえると思います。

その他、症状に応じて漢方を処方をすることもあります。
もちろん、各種外用剤を含む治療(保険診療)や、
ケミカルピーリング、IPL等による治療(保険外診療)も行っていますのでお気軽に御相談ください