2015年7月16日木曜日

手足口病の流行について

手足口病は
コクサッキーA16やエンテロウイルス71 をはじめとするエンテロウイルスによる発疹症で、
乳幼児を中心として夏に流行し、
四肢末端や口腔粘膜に小水疱が出現します。
通常は特別な治療を必要とせずに数日から1週間で治癒します。
しかし、極まれに、無菌性髄膜炎や心筋炎を合併して重症化することがあるので注意が必要です。
5類感染症に属しており、
全国の約3000の小児科定点施設から発生患者数が週単位で報告され、
国立感染症研究所からデータとして提供されています。
この春は例年より多く発生しており、夏の流行が予想されます。
口腔内病変の疼痛対策や経口摂取が不可能になったば場合の脱水対策以外には特に治療を必要としませんが、
経過中に「元気がない、頭痛、嘔吐、高熱」などの症状が見られた場合には、
髄膜炎、脳炎の併発に注意が必要です。
学校保険安全法での取り扱いでは、
条件により出席停止が必要な疾患に分類されています。
流行阻止の目的というよりも患児本人の状態により登校、登園の判断をする
ことになっています。
手洗いの徹底、タオルを共有しないなどの対策が必要と考えられます。